『日本食紀』 (中央公論社1998) ●食文化の諸々をずっと仕事としてきて、ずっと頭にあったのが、「日本とは、日本料理とは何か?」ということ。カレーが日本料理と思われないのなら、どうして、それよりも数百年だけ早く入ってきたテンプラは日本料理なのだ?スシだって、日本人の心の故郷だという米だって、所詮は外国から入ってきて、取り入れられたものではないか。カレーやパスタとどこが違う?というあたりの疑問から発し、南は与那国のおばちゃんの手料理、北は阿寒湖畔のアイヌのおばあちゃんの山菜採りから手料理まで食べて歩いて、日本を考えた本。多くの部分は、JTBの雑誌、「旅」に連載したものをベースにしている。それに、大幅加筆。
『アジア道楽紀行』 (ちくま文庫1999) ●景気は悪いけど、そういう時代だからこそ、たまにはノーテンキな旅を、という本。シンガポール、バンコク間のオリエント急行に乗ったり、豪華客船でクルーズしたり、はたまたジャングルを訪ねたりのひと味違うアジアの旅の本。もちろん、金を使うばかりがノウじゃないということで、裏技的な旅も。
『図説チーズの文化誌』 (編著、河出書房新社1999) ●食文化誌概論的な本をこれからいくつか作っていきたいと思っているのだけど、その手始めに、乳製品の文化誌を編者になってまとめたもの。ヨーロッパ系のチーズしか知らない人には、チーズの世界ってこんなに奥深くて広いのと驚かれるはず。
『私的メコン物語』 (講談社文庫1999) ●自伝というのには、ちょいと早すぎるような気はするけど、ともあれ、如何にして天体写 真を撮るのが好きだった少年が、報道写真家となり、そして、食いしん坊となってしまったか、長く関わりのあるメコンの流れと重ね合わせて書いた本。ちょっと恥ずかしいような、読んでほしいような本であります。
『食べもの記』 (福音館書店、2001/3) ●これまで二十年以上に渡って撮りためてきた食の写 真の集大成にして、もっとも易しい食文化入門。とにかく、ご覧いただければ……。